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アンブラン戦争が始まって7か月目、マリウスの父は戦場に倒れた。その戦いでただひとり生き残ったのは、父の副官であり、自身も偉大な戦士であったバレンという男だった。彼が語った話は、その後の少年時代を通して暗雲のようにマリウスの頭上に垂れ込めることになる。バレンの証言によれば、アンブラ軍が攻撃を仕掛けた瞬間、マリウスの父は持ち場を捨て、任務から逃げ出したという。その決断が部隊を壊滅へと導いたのだ。 それは王都にとって大きな恥辱だった。訃報とともにマリウスの母へ届けられたのは、栄誉の言葉でも弔意でもなかった。成長するマリウスに誰もが言ったのは、父の行いは実に嘆かわしい恥であり、大人になったら臆病な父よりも立派な人間にならなければならないということだけだった。 その一件で母の心は折れ、不祥事の後は世間から身を引いた。代わりにマリウスを育てたのはバレンだった。剣術と言葉の操り方を教えてくれたが、彼がマリウスと目を合わせることはほとんどなかった。そうさせているのが罪悪感なのか、それとも別の何かなのか、マリウスには分からなかった。

30ページから抜粋

「そのまま倒れていろ」アンライは吐き捨てるように言い、剣先でマリウスの顎をなぞった。マリウスは固唾をのみ、自分の武器を投げ出したまま地面に横たわっていた。怒りで拳を握り締めたところで、傷つけられた誇りをどうすることもできない。 歯を食いしばり、早鐘を打つ心臓を鎮めようとする。アンライはマリウスを見下ろして冷笑を浮かべ、しばらく剣先を動かさずにいた後、ようやく引いた。 「次からは、その口を慎むことだな」 「バレンがお前を見捨てたのも当然だ」マリウスはつぶやいた。直後に飛んできた拳は、ほとんど目に入らなかった。

200ページから抜粋

アンライの唇が震え、淡いまつげがそばかすの浮く頬の上で揺れた。 「僕の父は――」 マリウスは怒りをのみ込みながら、首を横に振った。「言うな。一度口にしたら、もう取り消せないぞ」 しかしアンライはただ睨み返し、真実を口にすることで、孤独なマリウスにとってかけがえのない、まだ脆い絆を打ち砕いた。 「父は嘘をついた。君の父親を殺し、臆病者のように逃げたんだ」

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Kilima Valley